別れた後、連絡が来ない元彼の心理|沈黙が続く本当の理由

STEP1|連絡が来ないまま、季節が変わっていく

最後のやりとりを、もう何度読み返したか分からない。既読も未読もつかないまま、画面をスクロールして、また閉じる。

送る文面は、何度も書きました。書いては消して、また書いて、結局送っていません。相手のSNSは更新されている。生きているのは分かる。それなのに、こちらには一言も来ない。

周りには「もう吹っ切れた」と言ってあります。だから、本当のことを話せる相手が一人もいません。

三十代の女性からのご相談です。二年付き合った相手と別れて、八ヶ月が経っていました。ブロックはされていません。こちらから送れば届きます。それでも返事は来ません。

彼女が知りたかったのは「いつ連絡が来るか」でした。ですが、リーディングで見えてきたのは別のことです。その人が黙っているのは、彼女への気持ちが消えたからではありませんでした。彼女を大切に思っているから、連絡ができなくなっていました。

この記事では、その構造と、彼女がその後に取った行動までをお伝えします。

※プライバシー保護のため、内容を改変したモデルケースです。


STEP2|リーディングで見えてきたこと

セッションで最初に確認したのは、別れ話の場面でした。

彼女はこう言いました。「あの人、私を一度も責めなかったんです。全部自分が悪かったって」。原因は明らかに双方にありました。それでも相手は、最後まで彼女を責めませんでした。

次に思い出してもらったのは、その人が、その人らしくいられた場面です。LSHリーディングでは、これをユニークな出来事と呼びます。

一つだけでは、たまたまだったのか、その人の本体なのかが分かりません。三つ並べたとき、初めて共通点が見えます。

出てきたのは、こういう場面でした。

一つ目。付き合っている間、記念日を一度も忘れませんでした。前日に予約を取って、当日は必ず定時で上がってきました。

二つ目。彼女の友人と食事をしたとき、彼女が言葉に詰まった場面で、相手が話を引き取って場を収めました。彼女が困っていることに、誰よりも早く気づく人でした。

三つ目。彼が悪くない場面でも、先に謝っていました。店員ともめかけたとき、道を譲らなかった相手に対して、いつも先に頭を下げるのはその人でした。

この三つに共通しているものが、その人のイデアです。イデアとは、その人が本当に大切にしているものを指します。

三つの場面で、その人が守っていたのは同じものでした。そばにいる人が、安心していられること。自分が我慢することでも、頭を下げることでも、場が穏やかであればそれでいい。そういう人でした。

ここまで見えたところで、その人を縛っている物語が浮かび上がってきます。LSHリーディングでは、これをドミナントストーリーと呼びます。

その人の中にあったのは、こういう考えです。

一度壊したものは、元には戻せない。

だから、この人の生活はこうなっていました。人ともめそうな場面を、先回りして避ける。引っ越しや転職など、関係が切れるタイミングを自分から選ぶ。壊れそうなものには、最初から手を出さない。

そして一度こじれた相手には、二度と連絡を取りません。謝る場面を作ること自体を避けてきたので、仲直りをした経験が、この人の中に一つも積み上がっていません。

自分自身については、こう見ています。自分は、大事なものを壊す側の人間だ。別れの原因を全部自分に帰しているので、戻る資格が自分にはないと判定しています。

ここで、構造が反転します。

この人が守りたいのは「そばにいる人が、安心していられること」でした。ところが一度壊したものは戻せないという物語が働いているので、傷つけない方法が「近づかないこと」しか残っていません。

連絡をすれば、また彼女を傷つける。そう判定しているので、大切に思うほど離れます。

このまま続けば、大切に思った相手から順に離れていきます。壊れそうなものに手を出さないので、深い関係そのものが増えなくなります。

もう一つの物語、つまりオルタナティブストーリーは、ここから立ち上がります。

壊さないために離れるのではなく、壊れたところを直せる人になる。

そうなれば、この人は自分から連絡を取れるようになります。もめたあとでも、戻ってこられるようになります。

STEP3|彼女にできたこと

彼女がやったのは、一つだけです。

① 復縁の話を出さずに、当時の場面を一つだけ送る

彼女から元彼に、当時の具体的な場面を一つだけ、事実として送りました。文面はこれだけです。

前に行った駅前のあの店、まだあったよ。

復縁の話は一文字も書いていません。会いたいとも、話したいとも書いていません。文末に返事を求める言葉も入れていません。送ったのは一回だけで、返信が来なくても続けて送りませんでした。

なぜこれが効くのか。

この人が守っているのは「そばにいる人が、安心していられること」です。そして連絡=また傷つけるという図式で止まっています。

返事を求めない連絡は、その図式が成立しない一回になります。責める要素も、求める要素もゼロの連絡を受け取ると、近づいても壊れなかったという実例が、その人の中に一つ残ります。仲直りの経験が一つも積み上がっていない人にとって、この一件は大きく働きます。

② やってはいけないこと|理由を聞く

「なぜ連絡をくれないの」と理由を問うのは、逆効果です。

理由を問われると、この人は自分が加害者であることを確認する作業に入ります。自分は大事なものを壊す側の人間だという自己認識が補強されるので、さらに黙ります。

同じ理由で、「私は待ってる」「まだ好き」も送りません。どちらも相手に判断を求める言葉なので、戻る資格がないと判定している人には受け取れません。


STEP4|その後、何が起きたか

彼女の側から、先に変化がありました。

連絡が来るかどうかで一日が決まる状態から抜けました。相手が黙っている理由が分かったので、待つことを自分で選べるようになったからです。以前は通知を確認するたびに気持ちが上下していましたが、それがなくなりました。友人の誘いにも出られるようになりました。

相手の側の変化は、二週間ほど遅れて来ました。

短い返信が返ってきました。内容は「まだあったんだ」の一言だけです。そこから、月に一、二度、近況を送ってくるようになりました。

こうした変化が起きるのは、イデアに沿った関わり方には、その人が抵抗する理由がないからです。守ろうとしているものを崩されないので、身構える必要がありません。無理がないので、続きます。

もちろん、全員がこうなるわけではありません。ここでお伝えしているのは、この構造の人にはこの関わり方が噛み合いやすいということです。


STEP5|あなたの場合は、どの物語でしょうか

今回のケースは、この相手固有のイデアとドミナントストーリーの組み合わせによるものです。

別れたあとに連絡が来ない理由は、これだけではありません。今の自分の状態を見せたくない人もいます。不満を言わずに溜め込んで、限界がきた人もいます。期待して裏切られるのが嫌になった人もいます。

外から見える形は、全部同じ「連絡が来ない」です。それでも中身が違うので、噛み合う関わり方も違います。今回の方法を別の物語の人にやっても、外れます。

縛りの物語は無数にあります。目の前のあの人がどれに当てはまるのかを見立てるには、体系がいります。答えを知っていることと、読み解けることは別のことです。

あなたのケースを読み解いてほしい方は、担当のLSHプラクティショナーのセッションへ。

自分で読み解けるようになりたい方は、LSHプラクティショナー認定講座へお進みください。